『1次審査を終えて』
中山 福太朗 (茶人)
初めてのことで、主催側の私たちも、応募して下さった皆様も、手探りの状態での
審査だったと思います。
そもそも、応募作品がなくても審査に応募でき、それで判断されるというのは不思議な
審査だよな、と私も思います。つまり今回の1次審査は、審査というより、私たちとの
コミュニケーションという側面が強くありました。
審査員の3名はそれぞれ専門が違うし、性格や考え方も相当異なるため、審査内でのコメントが
真逆ということもありました。なので私たちの言うことなど、聞いても聞かなくてもいいのです。
私たちは慣れ合ったり、事前の意思統一などしていません。
私たちは、同志を求めています。それは、縁故や子弟関係を頼った旧態然とした関係ではなく、
上下の関係でもなく、ただ役割が違うだけで、何でも意見を言い合える、ワクワクする中から
よいものができるような、そんな関係の友人です。
個人的に見てみたいものは、思考停止した型の反復でも、安易な自己表現でもなく、型が何物かを
分かった上でその人自身はくっきりと明確で、かつきちんと「今」であるものです。
大きさはもう少し小さい方がよい。 型に捉われるな、もっと自由になっていい。
このふたつは、その前提で同じことを言っています。私が見てみたいものです。両方がそのまま
両方正解です。そして、提案されなかった他の選択肢も正解でしょう。
誰に何と言われようと、強く信じて深くにあるもの。誰に批判されても、尚美しいもの。
それを見せてください。2次審査で実際に作品を拝見できること、楽しみにしています。