濃淡の色が美しい、300年程前の竹を使った花入れ。
この神秘的な色は古民家の天井で、何百年と囲炉裏の煙で燻されることで生まれます。
花を美しく際立たせる煤竹。その秘めた力は音の世界にも通じています。
雅楽に用いる笙(しょう)と呼ばれる楽器は煤竹で作られていて、長い時間燻されるため硬くなり、
響きがよくなるといわれています。
そして何といってもあの独特な形は、想像上の神聖な鳥、”鳳凰”が翼を立てて休んでいる姿に
見たてられています。
古民家が少なくなった現代であっても、未来につなぐBatonを私たちは握っていることを改めて胸に刻みます。