温かく深い美しさをもつ辰砂茶注。
この色は中国、元の時代に景徳鎮で焼かれた釉裏紅をルーツにもちます。
釉薬の調合や素地の土、焼き方などの条件が揃って美しく発色するといわれ、
焼き物のなかでは難度の高い色のひとつです。
そして、板状の真鍮を熱し何千回、何万回と金槌で叩き続け、つくられる
真鍮のトレー。
鍛金は弥生時代に大陸より日本へ伝わり、古墳時代には馬具や装身具などに
その歴史が見られます。
ひと打ち、ひと打ちが真剣勝負の世界。
槌目が光を繊細にとらえ、辰砂茶注の美しさが際立つ世界。
work by Hirokazu Kato, Chikako Ueda