青瓷杯
穂積和彦
穂積和彦
高校3年生の秋頃、澤村陶哉工房の当代と出会い、焼物の世界に入った
穂積氏。5年程はふたりの兄弟子から轆轤の技術を徹底的に学びます。
轆轤は研ぎ澄まされた感覚の世界であり、指先に全神経を集中させる
高度な技を習得しました。
京式登窯を続ける澤村陶哉工房は年に数回、窯焚をします。
窯焚専門の職人がいた時代と異なり、今は薪割りから全ての工程を
行うため、大変な労力と炎を見極める力が必要です。
10トン近い薪を窯の中へ投げ込み、丸2日焼き続け、冷めるのを待って
から窯から作品を取り出すのですが、その瞬間の緊張感は何物にも
代え難く、伝統の京焼に携わる「心」をいつも学ぶといいます。
料理屋向けだけでなく、使いやすさ、収納しやすさに加え、季節を
表現した家庭で使う器も制作しており、「こどもたちに器を通して
日本人らしい感性を磨いてほしい」と語ります。
Profile
1975年 | 奈良県に生まれる |
1994年 | 京都清水の三代澤村陶哉氏に師事 |
1996年 | 京都府立陶工高等技術専門学校 卒業 |