2つのサイコロを振って、出た目にあたる亭主役の人が、それぞれの視点から
道具や掛け軸、その他のことを語るオンライン茶会を昨日、開催しました。
語るひと(亭主役)は
前﨑信也氏(京都女子大学准教授)、中山福太朗氏(茶人)、
佃梓央氏(煎茶家・一茶庵宗家嫡承)。
画面を通して目に映る世界はシンプルな情報ー視覚と聴覚に集中するため、
より思考が働くように感じました。
佃氏の5月5日と掛軸の蘭にまつわるお話から始まり、前﨑氏の目釜新七作・
花三島茶碗とその時代のお話、中山氏の売茶翁のしたことに通じる
インスタライブや家でもできるアメリカ製のハンガーに吊るすモノが
発するチカラのお話、など数々の奥深くも面白いストーリーに引きこまれ、
あっという間に時が過ぎていきました。
初めて知る事柄、絵や言葉に託されるメッセージ、激動の時代を背景に
もつモノ、震撼した出来事の紙面が床の間にかけられる時の心。
今の時代に生きるからこそ、またこのような渦中にいるからこそ、
モノと心が結ばれる接点がはっきりと見えてくる世界。
日本という国や人生を客観的に見つめるパズルがひとつ、またひとつと
合わさっていく感覚と、“どう生きるか”という自分に対する問いを、
目の前にある茶と共に味わったオンライン茶会でした。