北京にて中国と日本の文化交流。左右は中国へ渡りました。
「工芸は中国、日本、韓国が同時に築き上げてきたもので、どこの国が偉いというわけではなく、それぞれが影響し合い、発展してきました。」
宗の時代の文化研究で著名な安芦オーナーの言葉から工芸展初日がスタートします。
京焼・3代 澤村陶哉氏率いる澤村陶哉工房、平安時代に日本を代表する焼き物の産地だった亀岡で取り組む吉井史郎氏、日本六窯のひとつ備前焼の伊勢﨑紳氏、創業100年余りの竹工芸・中野竹藝の作品が並びます。
作り手が伝統技法を受け継ぎ、何十年と積み上げてきた技を礎に、それぞれの世界観が表現された京焼、備前焼、竹工芸。かつて中国でもそのような創造性のあるものがつくられていた世界がありました。
しかし、現在では言われたことをきちんとつくるだけで、表現という部分は消えつつあると安芦オーナーは話します。
中国から伝えられ、まだ日本に残る技と表現の数々を、今度は日本から中国へ渡った時に中国の工芸がどのように変化していくのでしょうか。
その変化を望むギャラリー安芦の方々、そしてお客様の熱い思いに胸を打たれました。
文・撮影= Izumi TK