北京にて安芦のオーナーが淹れるお茶を皆でいただきました。
20年もののプーアル茶。一煎目、二煎目へと進むにつれて香りと味のうっとりするような変化に癒されながら、作品を通して澤村陶哉氏が伝える京焼について話が進みます。
「常に最高の作品を見て、吸収することを先代の父から口を酸っぱくして言われていました。そうすることで、自分の作品に
じわじわでてくるんです。」
感性は日々の積み重ねによって身につき、技を磨くことで実現できる技術と芸術性の両立が大切であると澤村氏は語ります。
日本のモノづくりには細やかさがあり、その繊細さを表現するには、基礎(技)が必要。職人は同じものを何点もつくることができ、そこにそれぞれの世界観を表現することを工房で伝えているそうです。
高度な技、作り手の世界観と思想、志。そして日本の美しい心を重ねること。これらが合わさったとき、奥行きのある洗練された作品が生まれ、淘汰されることのない作品となるように思います。
文・撮影= Izumi TK