寒の戻りでまだ寒い京都。着物をきて、素足に草履を履く女性と出会いました。
彼女はたくさんの、素直で優しい香りを岐阜県飛騨市から運んできました。
それは、きれいな空気と水、そして楮からなる山中和紙(さんちゅうわし)。
豪雪地帯の飛騨市河合町では、和紙の原料である楮の“雪晒し”という手法が、800年前から伝わっています。
雪にさらし、自然の力で白くするというもの。そうすることで繊維が傷みにくく、強靭な紙になるのだそうです。
現在、山中和紙を漉いているのはわずか2軒で、2名の若者がその技を継承するために頑張っています。
画像の和紙は楮の皮を入れた青紙。自家栽培している楮で漉いたといいます。
冬、冷たければ冷たいほど水は澄み、繊維がよく絡み、強くなる和紙。
楮の栽培から和紙漉きまで、根気のいる工程をやり続ける彼女は、技とともに日本の心も受け継いでいくと信じています☆
〈この和紙を使って、水を含ませた筆で線を引き、手で割いて懐紙を作ろうと思っています〉