
東洋では生命、宇宙誕生の母胎とも捉えられている蓮の花。
しかし、4日間という限られた時間しか咲かない。
朝日とともにつぼみが開き、昼ごろには閉じてしまう。
ぷっくらとしたつぼみがゆっくりと膨らみ、
時を迎えて、ある日の朝日を浴びて待ちわびた花びらが開く。
妖艶に咲く花はやがて自らの重みに耐えかねて、はらりと落ちる。
残るのは生命の抜け殻のような蜂巣ー蓮(ハチス)。
そこから飛び出した種がまた新しい命へとつながる。
written by Akiko Noda
野田 朗子
東洋では生命、宇宙誕生の母胎とも捉えられている蓮の花。
しかし、4日間という限られた時間しか咲かない。
朝日とともにつぼみが開き、昼ごろには閉じてしまう。
ぷっくらとしたつぼみがゆっくりと膨らみ、
時を迎えて、ある日の朝日を浴びて待ちわびた花びらが開く。
妖艶に咲く花はやがて自らの重みに耐えかねて、はらりと落ちる。
残るのは生命の抜け殻のような蜂巣ー蓮(ハチス)。
そこから飛び出した種がまた新しい命へとつながる。
written by Akiko Noda
京都に生まれ、四季折々の自然を暮らしの中で楽しみながら育った野田氏。
大学卒業後は新聞社、大手広告代理店で忙しく働き、目まぐるしい
スピードで流れる時間を過ごしていたといいます。
このまったく異なる「時の流れ」が創作の原点。
作品は“人生を豊かに生きるとは何か”という問いから導かれる自身の
“今”の答えを、自然の移ろいに重ねて創られていきます。
光を採りこみ、色彩の幻想的な影を美しく映しだす吹きガラス。
そして、石膏で型をとりガラスの粉や粒を置き、焼成するキルンワークは
植物の葉脈や色のグラデーションなど繊細な表現を可能にします。
「朝陽より沈んでいく夕日が好きなんです。桜も満開の時より散り際が好き。
多分、“儚さ”が好きなんだと思います」と話す野田氏。
強さと弱さ、温もりと冷たさ、光と影、といった人の心に似た表情を見せる
ガラスを通して、儚さのなかにある「生きる」という一筋の清らかな光を
表現し続けています。
Profile
2009年 | 第2回ガラス教育機関合同作品展(東京都美術館) |
2009京展 入選(京都市美術館) | |
第4回藝大アートプラザ大賞展 入選(東京、藝大アートプラザ) | |
2010年 | 第48回兵庫工芸展 入選(兵庫県民アートギャラリー) |
2011年 | 東京藝術大学卒業・修了作品展(東京藝術大学大学美術館) |
修了作品、台東区長奨励賞受賞 | |
第4回現代ガラス大賞展・富山2011入選(富山市民プラザ・アートギャラリー) | |
2012年 | 第5回現代ガラス展 in 山陽小野田 三輪休雪審査員賞受賞(山口、おのだサンパーク) |
2013年 | 第52回日本現代工芸美術展 現代工芸大賞受賞 |
2013京展 入選(京都市美術館) | |
第45回日展 初入選(初出品、東京、国立新美術館、京都市美術館を巡回) | |
2014年 | 第53回日本現代工芸美術展 入選 |
2015年 | 第1回藝文京展 京都商工会議所会頭賞 受賞(京都芸術センター) |
第54回日本現代工芸美術展 入選(東京都美術館、京都市美術館) | |
2016年 | 個展 -Lotus Shine-(東京、高島屋日本橋店アートアベニュー) |
2017年 | 第56回日本現代工芸美術展 入選(東京都美術館) |