先日の茶時で掛けられた掛け軸。
木々、川の流れは青く 埃のない清らかな様 ツバメがやって来るのが見えました
昼下がり、ふと目が覚めると 山の爽やかな空気が感じられました
盤に葡萄を満たせて、山桃をあなたにだそうとしています (漢詩より)
ツバメは初夏にやってくることから、季節を感じることができ、また鳥と葡萄という組み合わせから、種を運ぶ=子孫繁栄を表します。ツバメを見たのは夢か現実か・・・
この軸先は白く、表装の緑からも初夏を表現している、と一茶庵の佃梓央さんは解説してくださいました。
書き手の虎山がどのような思いや状況で書いたかがわからないからこそ、あらゆるシチュエーションを皆で無限に想像することができる。煎茶をいただきながら、昔の人はこのような時間を楽しんでいました。今の時代にも通ずる豊かな時間です。
寒い季節だからこそ、初夏の陽気をお軸から感じ取り、心温まる時間を過ごすことができました。
掛け軸を用意してくださった前崎先生、そしてお軸に合わせて柔らかい緑と青の茶杯を選び、持って来てくださった一茶庵の
佃梓央さん、お二人の粋な計らいに、晴れやかな気持ちが今もなお、思い出されます。