【入賞】
入江　佑子 氏　穴窯自然釉香合「香姫」
H6.7 x W3.9


女性らしい香水瓶のようなイメージを彷彿とさせる穴窯自然釉の香合です。
土の持っている素朴な美しさを追求し表現しました。


＜佃梓央氏（一茶庵宗家嫡承・煎茶家）のコメント＞

　
煎茶では箸立（急須のなかに残った茶葉を掃除するための箸を
立てておく道具）として用いることができると考えた。

　
サイズ感といい質感といい、現代作家の工芸品だけで取り合わせを
考えようとしたとき、いい脇役になるであろう。
既存の空間には収まらないとイメージさせたことが、この作品が入選した
要因である。

　
＜中山福太朗氏（茶人）のコメント＞

　
作品は香合ということですが、入口が小さく、通常の香はぶっちゃけ
入りません。仮に入ったところで取り出せません。
しかし、何とも分からぬ魅力があり、これを『香合』ですと席で
出されたら、何だか嬉しい気持ちになるな、何とか使ってみたいなと
思いました。


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内に秘めた芯の強さ、毅然とした姿。
不思議な空気を放つ香姫。


ふと目にする度に、背筋が心地よく伸びるような作品です。

　
審査当日、「なぜ魅かれるのか」心の奥に潜む理由を見つけようと
されている姿が印象的でした。　


文・撮影= Izumi TK　

　
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